協働ロボットの要求事項:速度及び間隔の監視とは

こんにちは😊ブログ担当の馬場です。

前回掲載から随分時間が経ってしまい、この馬場ログを楽しみにしていた皆さん、

すみませんでした。m(_ _)m今月から再開です!


今までの説明は、読まれてみていかがでしたでしょうか? 

面白い、興味持った!など有りましたら是非、投稿ください。私のモチベーションupにつながりますので。。。(^_^;)


さて、前回まで「協働ロボットの要求事項1、2とは何か」について説明してきました。

今回は、「協働ロボットの要求事項3とは何か」、について説明していきましょう!



【前回までの復習】


協働ロボットは、産業Robotの一種ですが、機能安全(Functional Safety)という考えを取り入れたRobotのことをいいます。国際規格 ISO 10218-1:2011(JIS B 8433-1:2015)に規定されている下記条件を満たしたRobotのことで、協働運転中とわかる視覚表示を備える(前提条件)、更に下記1~4の要求事項に一つ以上適合したもの。


  1. 安全適合の監視停止
  2. ハンドガイド
  3. 速度及び間隔の監視
  4. 本質的設計及び制御による動力及び力の制御


協働ロボットの要求事項3とは何か?

要求事項3:速度及び間隔の監視とは!?


協働ロボットの要求事項3には、「速度及び間隔の監視」と書かれていますが、これは、、、 !?JIS規格(ISOの翻訳)の文書を少しだけですが表現を変えると、、、

 


ロボットは、決められた速及びオペレータ(協働作業者の間隔(距離を保つこと

この機能は、ロボットコントローラに組み込まれた機能又は外部機器からの入力の組合せで構成してもよいが、決められた速度又は間隔(距離)の維持に不具合(障害)が検出されたときは、保護停止しなさい。なお、速度及び間隔(距離)の監視機能は、5.4.2に適合すること。



協働ロボットは、システムの中の単なる一つの構成品のため、安全な協働運転を考えた場合、それだけでは十分とはいえない

協働運転をおこなうためのシステムにおいては、人と協働ロボットの位置関係は、ダイナミック(動的)に変化するため、システム設計で実施したリスクアセスメントによって位置関係を決定すること。使用上の情報には、ロボットの速度の値と間隔(距離)の指示を含めること。協働運転を設計するときは、JIS B 8433-2、TS B 0033を使用すること。



オペレータとロボットとの相対速度は、最小安全距離を計算するときに考慮する必要がある

最小距離の要求事項は、JIS B 9715(機械類の安全性- 人体部位の接近速度に基づく安全防護物の位置決めに記載されている。






難しいですよね。。。先程の内容をブロックごとに、一つ一つ説明していきましょう!



ロボットは、決められた速及びオペレータ(協働作業者の間隔(距離を保つこと

この機能は、ロボットコントローラに組み込まれた機能又は外部機器からの入力の組合せで構成してもよいが、決められた速度又は間隔(距離)の維持に不具合(障害)が検出されたときは、保護停止しなさい。なお、速度及び間隔(距離)の監視機能は、5.4.2に適合すること。


  ↓↓もう少し、分かりやすくすると↓↓


協働ロボットは、オペレータ(協働作業者)との間隔(距離)に応じて、コントローラに設定した速度で動作すること。間隔(距離)は、コントローラに組み込まれた機能又は、外部機器(例えばSafetyレーザースキャナー)からの入力で構成しても良いが、間隔(距離)の維持に不具合(障害)が生じた場合は、保護停止(安全防護の目的で動作を中断、再起動が容易におこなえる停止)すること。


速度及び間隔(距離)の監視機能は、下記どちらかに適合。

 1)カテゴリ3のアーキテクチャ and PL=d

 2)プルーフテスト間隔が20年以上、ハードウェアフォールトトレランスが1、 SIL2


また、前にも出てきた内容、、、 これは別なところで説明ということで!





協働ロボットは、システムの中の単なる一つの構成品のため、安全な協働運転を考えた場合、それだけでは十分とはいえない

協働運転をおこなうためのシステムにおいては、人と協働ロボットの位置関係は、ダイナミック(動的)に変化するため、システム設計で実施したリスクアセスメントによって位置関係を決定すること。使用上の情報には、ロボットの速度の値と間隔(距離)の指示を含めること。協働運転を設計するときは、JIS B 8433-2、TS B 0033を使用すること。


  ↓↓もう少し、分かりやすくすると↓↓


協働ロボットを使用した設備(システム)を設計するとき、協働ロボットはシステムの中の一部であり、作業者との安全な協働運転を考えた場合、ロボット側で設定した速度と間隔(距離)だけでは不十分。協働運転をおこなうシステムでは、人と協働ロボットの位置は、常に変化するため、システム設計の段階でおこなうリスクアセスメントにより、協働作業を行う上での安全な間隔(距離)を決めること。

使用上の情報には、ロボットの速度と間隔(距離)についの情報具体的に記載すること。協働運転をおこなうシステムを設計するときは、JIS B 8433-2(ロボットシステム及びインテグレーション)とTS B 0033(ロボット及びロボティックデバイス-協働ロボット)に適合のこと。


こういう表現であれば、少しは分かりやすいですよね!




オペレータとロボットとの相対速度は、最小安全距離を計算するときに考慮する必要がある

最小距離の要求事項は、JIS B 9715(機械類の安全性- 人体部位の接近速度に基づく安全防護物の位置決めに記載されている。


  ↓↓これは分かりやすいですが、表現を変えると↓↓



人と協働ロボットの位置が常に変化するため、最小安全距離を計算するときは、オペレータ(協働作業者とロボッとの相対速度について、考慮する必要があります。最小距離の要求事項は、JIS B 9715(機械類の安全性- 人体部位の接近速度に基づく安全防護物の位置決めに記載されているので、そちらを参照すること。



今までの説明より、要求事項3間隔(距離)を測る、保つということがポイントだと理解出来ます。  




このようなこと、どっかで聞いたような、、、武道でいう「間合い」というものに似ているような、そんな気がしませんか!? 





かなり強引で無理があるかもしれませんが、以下のように考えると分かり易いのでは!? ないかと、、、



要求事項3の「速度及び間隔の監視」は、協働ロボットとオペレータ(協働作業者)との間隔(距離)に応じて、コントローラに設定した速度で動作し、間隔(距離)は、自ら又は外部からの手助けで判断して安全を確保する。これらが不具合(障害)を起こした場合は、停止する。



上の文で「協働ロボット」と「オペレータ」を剣士に置き換えると、お互いの間合いに応じて、安全が確保できるような速度で体裁きをおこない、間合いの判断は、お互いが自ら判断し、自分が不利にならない間合いを取る。上手く間合いが取れなくなったら、近づかない。 近づいてしまうと、どちらかが怪我をするから! 如何でしょうか(笑)




次回は、協働ロボットの最後の要件定義、4つ目「本質的設計又は制御による動力及び力の制限」について説明していきたいと思います。



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システム安全修士 馬場 勝偐
システム安全修士 馬場 勝偐
2019年3月 長岡技術科学大学 大学院 技術経営研究科 修了/ (株)アマダ、西部電機(株)を経て、SKソリューション(株)にて、規格・法規に基づいたシステム安全の啓蒙活動に従事 / 九州職業能力開発大学校 外部講師、 (一社)安全技術普及会 講師 その他 個別セミナー講師 / 安全技術応用研究会、電子情報通信学会所属 / システム安全エンジニア(公的資格)、1級電気工事施工管理技士(監理技術者)
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