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【活用事例】AI搭載画像検査カメラで複雑背景の異物検出を自動化|FHV7-AI活用術

製造業では人手不足や品質要求の高まりを背景に、検査工程の自動化が急速に進んでいます。中でも、画像処理による外観検査は、製品の安定供給と品質保証に欠かせない技術です。

従来はルールベース型の画像検査が主流でしたが、近年ではAI搭載型画像検査カメラが登場し、より柔軟で高精度な検査が可能になっています。本記事では、オムロン製FHV7-AIを活用した、複雑な背景における異物検査の活用事例をご紹介します。

※ルールベースの画像検査とAI搭載画像検査の違いについては下記記事で詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。

複雑な背景での異物検査

先日福岡で開催されたモノづくりフェア2025で展示し、ご好評いただいたアプリケーションのご紹介です。

今回の検査対象は、メッシュ柄の布地上に釘が混入しているかどうかを判定するアプリケーションです。背景が複雑なため、従来のルールベース型カメラでは誤検出や設定の煩雑さが課題となっていました。

しかし、FHV7-AIを使用することで、短時間での設定と高精度な異物検出が可能となりました。釘が検査枠内に存在する場合はNG判定が正確に出力され、安定した検査結果が得られています。

使用機器・ワーク紹介

FHV7-AI ワーク紹介

使用機器:FHV7-AI(照明レンズ一体型) / ワーク:メッシュ生地 / 異物:ネジ

FHV7-AI異物検査アプリケーション

FHV7-AIの主な特徴|AI知識不要で簡単導入

FHV7-AIは、製造業の外観検査自動化や品質管理の効率化を支援するAI画像処理カメラとして、多くの現場で活躍することが期待されています。
画像検査といえば、「難しい」「高額」といったイメージがありますが、照明・レンズ・画像処理機能が一体となったオールインワン設計で、設置スペースや導入コストを抑えられる点も魅力です。以下のような特長があります

①わずか数分で設定完了

  1. 検査種類の選択(有無判別/品種判別/簡易欠陥検査
  2. 照明の明るさ選択とオートフォーカスによるピント調整
  3. 学習用に画像を撮影(OK画像/NG画像)
  4. 学習実行

② AI知識不要の「新自動学習AI」

  • 学習用画像の自動選別により、過検出ゼロを実現

  • 数枚の画像で学習可能

  • しきい値も自動設定され、調整時間を大幅に削減

従来のAIでは画像選別に1日~数日以上かかることもありましたが、FHV7-AIでは数分で完了します。これにより、現場での迅速な立ち上げが可能となり、運用負荷の軽減にもつながります。

FHV7-AIのおすすめアプリケーション例

  • 有無判別:印字の有無、組付けの有無

  • 方向判別:部品の整列方向、投入方向

  • 表裏判別:部品の表裏の違いを判定

  • 品種判別:異品種混入の判別

  • 簡易欠陥検査:段ボールの出荷前へこみ検査

「多機能なカメラは使いこなすのが難しい」、「OK/NGの判定だけできればいい」といった方にオススメの製品です。

AI搭載カメラの導入により、これまで困難だった検査工程の自動化が現実のものとなりつつあります。FHV7-AIは、現場の課題を解決する強力なツールとして、今後さらに多くの製造現場で活用されることが期待されます。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

※ダウンロード不要です。

活用事例:画像検査アプリケーション

▼関連情報

アプリ技術課(画像処理)エンジニア 監修
アプリ技術課(画像処理)エンジニア 監修
画像検査システムの提案からプログラム作成、現場立ち上げまでを一貫して担当する、画像処理システムエンジニアチームです。メンバーは若手から20年以上のベテランまで幅広く、現場に即した技術と柔軟な対応力を強みとしています。
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