エンコーダ パルスカウントの逓倍とは?
エンコーダーのパルスを取り込むとき2逓倍、4逓倍ってあるけど、これって何ですか?
(逓倍は、「ていばい」と読みます。 意味は、基本波・信号を整数倍すること)
⇒エンコーダからのパルス数を何倍にして取り込むか、その設定のことです。
例えば、使用するエンコーダが1024パルス/回転(1逓倍)の場合で考えると、
2逓倍は、2048パルス/回転
4逓倍は、4096パルス/回転となります。
では、なぜパルス数を2逓倍、4逓倍にするのでしょうか?
例えば、1024パルス/回転(1逓倍)のエンコーダをコンベア軸に取り付けたとします。
その軸が1回転でコンベアが1024mm移動するとしたら、1逓倍のパルス分解能は、1mm/パルスとなります(1パルス、1mm移動)。
2逓倍のときは、2048パルス/回転なので、パルス分解能は、0.5mm/パルス
4逓倍では、4096パルス/回転なので、パルス分解能は、0.25mm/パルス
以上より、逓倍はパルス分解能の精度を上げることを意味します。
こうすることで、位置決めなどの制御系を構築する場合、高精度の制御系を実現することが可能となります。
逓倍エンコーダパルスカウントとは
パルスカウントの*逓倍 問題?
パルス分解能を上げる(1→2→4逓倍)と問題がある?
「パルス分解能を上げることで、ノイズに弱くなるので注意」と言う記述を散見することがあります。本当でしょうか?
1970~80年代、今から約4、50年前は、今日のようなノイズについての知見も無く、ノイズについての解析や適正なデバイス、回路、基板、パターン、実装、配線上の対処も各メーカーバラバラで確立していなかった時代でした。そういう時代の話しが現在に至るまで修正されずに、常識として取扱説明書などにいまだに掲載され続けています。
現在はIEC規格、IECガイド107に則ったものづくりをおこなっているため、
「分解能をあげる=ノイズに弱くなる」ということにはなりません。
構築したシステムが本当にノイズに弱いのであれば、1逓倍でもノイズによる影響を受けます。 設計者は、この点を理解しておく必要があります。
【Check Point】:主に考慮すべき点 構築するシステムに必要な精度、パルス入力ユニットの最大入力周波数、エンコーダの1回転当たりのパルス数、エンコーダの設置場所、使用ケーブルの選定、盤内・外の配線ルート、接地アースなど、システムを構築する上では確実に考慮しておく必要があります。 |
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