エンコーダ パルスカウントの逓倍とは?


目次[非表示]

  1. 1.エンコーダーのパルスを取り込むとき2逓倍、4逓倍ってあるけど、これって何ですか?
  2. 2.逓倍エンコーダパルスカウントとは
  3. 3.パルスカウントの*逓倍 問題? 

エンコーダーのパルスを取り込むとき2逓倍、4逓倍ってあるけど、これって何ですか?

(逓倍は、「ていばい」と読みます。  意味は、基本波・信号を整数倍すること)


⇒エンコーダからのパルス数を何倍にして取り込むか、その設定のことです。

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例えば、使用するエンコーダが1024パルス/回転(1逓倍)の場合で考えると、

2逓倍は、2048パルス/回転

4逓倍は、4096パルス/回転となります。

では、なぜパルス数を2逓倍、4逓倍にするのでしょうか?


例えば、1024パルス/回転(1逓倍)のエンコーダをコンベア軸に取り付けたとします。

その軸が1回転でコンベアが1024mm移動するとしたら、1逓倍のパルス分解能は、1mm/パルスとなります(1パルス、1mm移動)。


2逓倍のときは、2048パルス/回転なので、パルス分解能は、0.5mm/パルス

4逓倍では、4096パルス/回転なので、パルス分解能は、0.25mm/パルス

以上より、逓倍はパルス分解能の精度を上げることを意味します。


こうすることで、位置決めなどの制御系を構築する場合、高精度の制御系を実現することが可能となります。


逓倍エンコーダパルスカウントとは

パルスカウントの*逓倍 問題? 

パルス分解能を上げる(1→2→4逓倍)と問題がある?

「パルス分解能を上げることで、ノイズに弱くなるので注意」と言う記述を散見することがあります。本当でしょうか?


1970~80年代、今から約4、50年前は、今日のようなノイズについての知見も無く、ノイズについての解析や適正なデバイス、回路、基板、パターン、実装、配線上の対処も各メーカーバラバラで確立していなかった時代でした。そういう時代の話しが現在に至るまで修正されずに、常識として取扱説明書などにいまだに掲載され続けています。


現在はIEC規格IECガイド107に則ったものづくりをおこなっているため、

分解能をあげる=ノイズに弱くなる」ということにはなりません。


構築したシステムが本当にノイズに弱いのであれば、1逓倍でもノイズによる影響を受けます。 設計者は、この点を理解しておく必要があります。



【Check Point】:主に考慮すべき点

構築するシステムに必要な精度、パルス入力ユニットの最大入力周波数、エンコーダの1回転当たりのパルス数、エンコーダの設置場所、使用ケーブルの選定、盤内・外の配線ルート、接地アースなど、システムを構築する上では確実に考慮しておく必要があります。


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システム安全修士 馬場 勝偐
システム安全修士 馬場 勝偐
2019年3月 長岡技術科学大学 大学院 技術経営研究科 修了/ (株)アマダ、西部電機(株)を経て、SKソリューション(株)にて、規格・法規に基づいたシステム安全の啓蒙活動に従事 / 九州職業能力開発大学校 外部講師、 (一社)安全技術普及会 講師 その他 個別セミナー講師 / 安全技術応用研究会、電子情報通信学会所属 / システム安全エンジニア(公的資格)、1級電気工事施工管理技士(監理技術者)
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